『対面手渡し』は追加料金化へ

国土交通省が、6月26日、宅配ボックスや玄関前に荷物を届ける『置き配』を宅配便の標準サービスとする事を法制化する方向性で検討を始めたと発表しました。

ここ10年ほどで荷量が約1.4倍の50億個にまで膨らんだ宅配便配送に対して、深刻化する人材不足の中、負担軽減につなげ、現在、約8.4%まで下がってきた再配達率を国の目標指数である再配達率6%に下げるため国として本格的に動き出しました。その対策の目玉が『対面手渡し』の有料化です。

ヤマト運輸や佐川急便は現在も盗難や誤配等のリスクを考慮して対面手渡しを標準としています。また、国内に約14,000棟あると言われるオートロックマンション(セキュリティー上、自由勝手にマンション建物内玄関前まで立ち入れない構造マンション)の問題もあります。

ただ、盗難や誤配を無くすためには、物流業者の努力だけではなく、宅配を利用する側の意識も変えることも肝要だと言わざるを得ません。

まず第一に現況では表札のないお宅が非常に多いこと事。。。近年個人情報保護法の為か、新築戸建はじめ既存住宅、アパート・マンションでも表札がないのが当たり前のようになってきています。特に新築戸建は、住宅地図アプリを見ても住居表示番号及び地番の表示が追い付かず掲載されていないことが多く、また、古いアパートやマンションでは部屋の番号表示が消えてなくなっていて同階でも左右どちらが1号室か不明な場合もあり、配達員も全くの手探りで配達しています。また、既存住宅でも住宅地図アプリに住居表示の最後の枝番同番の住宅が何件あり、名前の掲載がない場合、物理上、配達の遅延や誤配のリスクが高くなってしまいがちです。物流業者も一度正しく配送完了した物件については出来る限り情報共有等に努めていますが、完全ではありません。
また、簡易なものであれ施錠可能な宅配ボックスの設置が盗難防止策としては、かなり有効だと思われます。

私も配達する側・宅配を利用する側の両側面をもつものとして、この対応はしています。

その他問題は山積していると思いますが、宅配利用者(建物管理不動産会社等含む)、国交省有識者会議、物流業者及び業界関係IT業者の協力の下、皆にとって良い方向になって欲しいものです。